【徹底解説】BtoB製造業の海外営業とは?

BtoB製造業の海外営業とは?

メトロールの海外営業職に興味を持っていただきありがとうございます!マーケティング部のタイソンです。
本記事では

  • 海外営業の役割は?
  • メトロールの海外営業って具体的に何をするの?
  • 海外営業ってどんなスキルが求められるの?

などの疑問についてお答えしていきます!
余すところなく解説しますので「メトロールの海外営業もっと知りたい!」と思う方はぜひご覧ください。

一言で「海外営業」と言っても会社によって仕事内容は様々です!
メトロールでの役割や仕事内容をぜひ知ってください。

営業のミッションと商材の特長

営業は国内海外問わず、お客様の抱える課題を自社の製品・サービスを使ってどうすれば解決できるかを提案する仕事です。
仕事解説の前に前提となる営業部のミッションとソリューションとなる自社製品の特長について簡単に触れておきましょう。

営業の役割・ミッション

メトロール営業の仕事は大きく以下の3つに分けられます。

  • 市場開拓(新規開拓・既存売上の成長)
  • 販売チャネルの開拓
  • センサのアプリケーション(用途)開発

営業は「モノを売る」ことに留まらず、「売るためのスキーム(仕組み)や手段」から考えることが求められます。
また、営業はユーザの課題に最も近いところにいることから、「開発ニーズ」を開発チームに持ち帰ることも期待されています。

取り組むの課題

営業メンバーは以下のような問いを日々考えながら、営業施策の仮説をたて検証を行います。

・どうしたら新しいお客様に出会えるのか?(ビジネスチャンスの創造)
・どのような売り方をすればお客様に響くのか?(商談)
・お客様の課題は何なのか?(分析)
・どんな販売チャネルを確立すればスムーズにお客様にセンサを届けられるのか?(販売チャネル開拓)

製品の種類と特長

営業が取り扱う商材の特性を抑えておきましょう。商材は大きく2種類に分かれます。

  1. 高精度タッチスイッチ(設備全般向け)
  2. 工作機械・産業用ロボット向けセンサ (以下:工作機械向けセンサ)
BtoB製造業の海外営業が取り扱う商材

2つの製品の違いをざっくり解説すると以下のようになります。

商材①高精度タッチスイッチ②工作機械向けセンサ
単価少額(5000円~5万円)高額(5万円~30万円以上)
販売チャネル商社(通販)商社(機械販売店)・装置メーカ―
購買決定フローユーザ自身でカタログを読めば決められる営業スタッフが顧客ごとに仕様打合せが必要 
搭載するための手段ユーザ自身で搭載ができる技術的なサポートが必要
用途自動化設備全般の位置決めメインは工作機械における位置決めと計測
商品を購入する人(顧客)設計者・品質保証・生産技術者・製造責任者装置メーカー設計者・工場長・経営者・生産技術者
営業に求められる知識・経験・自動化の知識
・生産設備の知識
・工作機械の知識
・金属加工や加工工程の知識
2つの製品分類の違い

着目すべきは、②工作機械向けセンサは販売においてエンドユーザよりも上流の装置メーカーや商社が必要になる点です。
①タッチスイッチと比べると販売するまでに様々な調整業務がお客様との間で発生します。

以上のように、メトロールの営業職は異なる2種類の製品とそれぞれの顧客の特長を踏まえた営業活動を行う必要があります。

海外営業の仕事①:新規市場開拓

営業が市場開拓の手段は以下の2つがあります。

  1. 新規顧客に新製品を提案し採用していただく
  2. 既存顧客に製品を提案し、よりたくさんの商品を使っていただく

これらを意識しながらどのような施策を立てるのかが重要となります。
代表的な施策の例を2つご紹介します。

  1. 展示会
  2. WEB顧客へのフォロー

施策1:展示会運営

海外営業は、海外の展示会に出展し製品の拡販・商談機会を作ります。
出展の主な目的は

  • 認知されていない潜在顧客へのPR
  • 課題をもっている顧客との商談アポイント獲得
  • 顧客情報(名刺)の獲得
  • 新製品の反響調査、現地のニーズ調査

などがあります。

BtoB製造業の海外営業の仕事:展示会運営
ベトナムで行われた展示会の出展風景

展示会は1社1社訪問せずとも、お客さんの方からお越しいただけるので効率よく商談を進められます。

展示会の効果測定

展示会出展後はSFA(後述)を使って、展示会の効果測定を行い次回出展するべきかどうかを見極めます。

BtoB製造業の海外営業の仕事:展示会の効果測定

施策2:WEB顧客へのフォロー

WEBサイトでは「今まさに悩んでいる」課題意識の高いお客様からの問合せが日々寄せられ、最優先でフォローが必要な業務の1つです。WEBの引き合いには
・カタログ資料をダウンロードしてくれた方
・具体的なお問い合わせ

の2タイプがあり、メトロールでは即日フォローを心掛けて運営しています。

BtoB製造業の海外営業の仕事:リードのフォロー

BtoBの商材は専門性が高いため、技術コンテンツやセンサの使い方をわかりやすくまとめた記事の情報発信・SEO対策などWEBマーケティングにも力を入れています。こうした活動から興味を持って問い合わせいただくことも少なくありません。

施策:顧客訪問(商談)

直接お客様の現場へ伺い、製品紹介やデモを行い、お客様のニーズをヒアリングしながら提案を行います。
商談を行うお客様との最初の接点は大きく以下の3つです。

  • 展示会で相談したお客様
  • WEBで引き合いの合ったお客様
  • 商社・代理店から紹介を受けたお客様

商談では、お客様のニーズをヒアリングしソリューションとして最適な製品を紹介します。
お客様が抱える課題は自動化や金属加工などモノづくりに関わるテーマがほとんどです。

海外営業の仕事②:販売チャネルの開拓

メトロールは企業戦略として現時点では海外現地法人がありません。(※中国を除く)
そのため、各国の販売チャネルとして顧客対応や拡販を請け負ってくれる有力な販売パートナーを見つけることが重要です。

販売チャネルの開拓先は2種類あります。

  1. 代理店の開拓
  2. 海外ECサイト開拓

それぞれについて解説していきます。

チャネル開拓1:代理店の開拓

各国でメトロールの製品は積極的に販売してくれる代理店を見つけることが重要です。
とくに、エンジニアを抱え、エンジニアリング(センサの取付工事)サービス可能な代理店を発掘し育成する営業活動です。

メトロールの「工作機械向けセンサ」は、工作機械に取り付けるための技術サービス(取付工事)が求められます。
そのため「仕入れたものをただ販売する」だけでなく、「取付サービスも含めて販売できる」代理店である必要があるのです

BtoB製造業の海外営業の仕事:販売チャネルの開拓
代理店経由の販売チャネル

代理店は、営業力が最重要と思われがちですが、エンジニアを抱え付加価値を高めている代理店も多く存在し、メトロールではインテグレーターと呼んでいます。※1
市場開拓をするためには、こうした各国の技術サービスが可能なインテグレーターと組むことが欠かせない要素となります。

※1:わかりやすく解説!【代理店=インテグレーターとは?】

例えば、代理店で「エアコン」を購入する場合、「エアコンの取付」も代理店が一緒に手配することが一般的ですよね。

もし「エアコン」と「エアコンを取り付けてくれる業者」を別々に手配しなければならないとなると、お客さんからしたら難しそうだしやりたくない。だから代理店は「エアコン」と「取付」をセットで販売する仕組みを予め用意しています。

エアコンに例えると当たり前ですが、BtoB業界においても「エンジニアを抱える代理店(インテグレーター)」は、「商品と取付サービス(エンジニアリング)もセットで顧客に販売する」ことでニーズに応え付加価値を高めています。

メトロールのセンサは工作機械に取り付けなければ使えません。センサを使いたくても自社設備に取り付ける技術が無いユーザに対しては、インテグレーターを介すことでスムーズに販売することができるのです。

どうやって代理店を発見するのか?


こうした代理店は

  • エンドユーザや装置メーカー
  • 展示会
  • WEB

などを通じて調査していきます。特に工作機械の代理店などに存在するケースが多い傾向があります。

2-2:代理店の育成・パートナーシップ構築

代理店もただ見つければ良いわけではありません。
代理店が自走して販売可能な状態になるまで営業が支援する必要があります。例えば、

  • 展示会での販売支援
  • 代理店スタッフに対して商材の勉強会の実施
  • パートナーシップ

代理店にメトロール商材を1つのビジネス価値を見出してもらい、積極的に販売を強化してもらうようパートナーシップを結ぶことも重要です。

BtoB製造業の海外営業の仕事:販売チャネルの開拓の流れ
代理店を探し自走状態にいくまでの大まかな流れ


最後は人対人です。
人間関係を特に重視する代理店によっては、会食などを通じて良好な信頼関係を築くことが求められます。

BtoB製造業の海外営業の仕事:代理店育成
代理店向けの勉強会風景

2:海外ECサイトの開拓

前項の代理店に似ていますが、タッチスイッチ商材を中心に販売する「ECサイト」の開拓を行います。
ECサイトは代理店ほど細やかなサポートは提供できないものの、ユーザーがスピーディに製品を入手できるプラットフォームとして、特に高精度タッチスイッチにおいては重要な役割を持っています。

詳しくはこちらの記事をご覧ください

以上紹介した、3つの販売パターンの特長を整理すると以下のようになります。

直販代理店ECサイト
ユーザのメリット代理店マージンが無い分安く購入可能・スピーディなサービスを受けやすい
・現地で商品説明や技術指導が受けられる
即日発送など即座に入手可能
オンラインサービス◎メーカーエンジニアから直で対応可能
遠隔地でのオフラインサービス△弱い×弱い
販売方法別のメリットデメリット

海外営業の仕事③:アプリケーション(用途)開発

センサの新たな用途(アプリケーション)を見つけることで市場を広げていく活動です。※2
センサ1つをとっても使い方はユーザによって様々です。

例えば、これまでは「工作機械の中で使う」ことが当たり前だったセンサでも、

  • 垂直ロボットと組み合わせたら人の作業が楽にならないか?
  • 材質を変えて真空環境で使えるようにすれば航空宇宙業界のユーザに喜ばれるんじゃないか?

といった具合に、アプリ開発することで工作機械以外の業界にもセンサを広めるチャンスが見つかります。

日々ユーザと直接会話している営業だからこそ入手できるアプリや顧客ニーズの情報は、積極的に開発チームに情報を持ち帰ることが求められています。

※2:分かりやすく解説!【アプリケーション開発とは?】

アプリケーション開発の成功事例として有名な化学メーカー3M社のエピソードを紹介します。
3M社が開発していたのは「良く付くが、すぐにはがれる接着剤」。これだけ聞くとどんな用途がわかりにくいし、どんな人がお客さんになるかも想像できず売りにくいですよね?

しかし偶然、この接着剤を「しおりに使えないか」というアイディアから「ポストイット」が誕生しました。接着剤を使ってポストイットというアプリケーション開発をしたことで新たな市場が生まれたと言えます。

その他:営業ナレッジの蓄積・共有

営業チーム全体のパフォーマンスを高めていく活動も重要です。
専門性の高い商材を扱うだけに、日々の活動で得たノウハウを蓄積し、メンバー同士で共有できる仕組みが作れるかが重要であるメトロールでは考えています。 

そのための仕組みを2つご紹介します。

SFAの運用

SFA(Sales Force Automation)は営業活動を見える化し、生産性を向上させるためのツールです。
メトロールの営業部では以下の3つの目的で導入しています。

  • 顧客管理
    日々、お客様とどんなやり取りをしたのか?の記録
  • 商談管理
    商談がどんな状態か?の進捗確認。なぜ成約・失注したのか?
  • 行動管理
    どれだけお客様と商談の時間を作れたのか?

SFAに蓄積された活動記録のデータは、日々の業務改善・後任への引継ぎ・施策の成果分析などを行う上で重要なデータとなるため、入力は日々のルーティン業務となっています。

海外営業のよくある質問

Q:いきなり海外のエリア担当を任されるの?

経験者と新卒によっても分かれますが、大前提として日本語で国内のお客様とスムーズに商談ができるようになることが海外営業として独り立ちする前のファーストステップです。
担当エリアを持つ前に

  • 製品
  • 市場
  • 商流
  • 商談の流れ(商談~見積~受注)と業務フロー

など基本的な知識を習得する必要があります。
社内の勉強会やロールプレイング研修、OJTで習得して頂きます。

Q:海外営業の担当はどのように決められるの?

自律的に行動できるレベルに達した後は、エリアや国を担当しその中で業務を行います。
例えば
・ASEAN担当
・EU担当
・インド担当
のようなイメージです。
担当の無い国々から問い合わせ対応やプロジェクトは分担しながら行っています。

Q:どれくらいの頻度で海外出張に行くの?

多い時で月2回、1回あたり1~2週間の出張が基本になります。
展示会シーズンが重なるとタイの展示会に出展してすぐベトナムの展示会に参加するなど、繁忙期もあります。

Q:語学力はどの程度必要か?

担当エリアにもよりますが、以下目安になります。

  • ASEAN地域:TOEIC600~
  • 北米・欧米:TOEIC800~

もちろん、言語は手段でありTOEICの点数が全てではありません
国内でも同じですが、読み書きが分かることに加えて、お取引相手との関係性を構築したり、折衝できるコミュニケーション能力を習得していくことが重要です。

Q:代理店が無ければ海外に販売できないの?

「直販」で販売することも可能です。

直販は、顧客に対して代理店など仲介業者を挟まずメトロールから直接製品を販売する方法です。
直販のメリットは

  1. 代理店を挟まない分、スピーディかつ安価に製品を届けることができる。
  2. ユーザの詳細情報(ニーズ)が入手できる。

などがあります。

BtoB製造業の海外営業の仕事:直販
海外直販のスキーム


直販の場合、メトロールはオンラインでのサポートは可能ですが、遠隔の場合オフラインでは対応できないケースも少なくありません。ユーザの技術レベルに応じて販売前のフォローを綿密に行う必要があります。

最後に:海外営業が求められるスキルとは

海外営業をやる上で求められるスキルと主要業務をまとめると

海外営業に必要なスキル

  • 顧客、製品を理解し、計画的に市場を開拓していく推進力
  • 利害関係者のコンセンサスを得て、他者に行動をとってもらうコミュニケーション力・調整力
  • 商談の成約・失注要因を分析し改善していくマインド

あと個人的に欠かせないのは、自社製品が好きで魅力を伝えたい!という気持ちですね。
これが無ければ、利害関係者のモチベーションを上げることはできません!

まとめ:海外営業の主要業務一覧

  • 海外出張ベースでの顧客訪問
  • 展示会の企画・運営
  • WEBからの引き合いフォロー
  • 販売チャネルの開拓・育成
  • 営業活動の改善(ツールの改善、シナリオ改善
  • アプリケーション情報の獲得
  • ツール(SFAなど)による業務管理とナレッジの蓄積

いかがでしたでしょうか!実務内容と部門内での運用や方針について具体的に解説してみました。
本記事に書かれていること以外にも業務としては色々とありますが重要なポイントは抑えて解説しました。
最後までお読みいただきありがとうございます!


メトロールでは一緒に働く仲間を探しています。

メトロールは生産設備や工作機械などの自動化に貢献するセンサーメーカーです。東京都立川市で作ったセンサは世界74ヶ国、7000社以上のお客様にご利用いただいています。次世代のものづくりや設備に使用されるユニークなセンサの企画から開発・製造までを一貫して行う開発型メーカーでもあります。

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