エンジニアの働き方を変えた3D CADとは?|開発期間が1ヵ月→1週間に。

こんにちは。製品開発部のガクさんです。

今回のテーマは、ズバリ3D CAD!
僕たちエンジニアが製品や設備などを設計するときに使うツールです。

メトロールでは業務効率化を目的に、去年3D CADを導入したところ、設計〜製造までの開発期間が1ヵ月から1週間に! なんと4分の1に削減できたんです!!
 
僕たちエンジニアの働き方を劇的に変えた、まさに製造業のゲームチェンジャーと言ってもいいでしょう!
今回は、この3DCADの導入経緯やその効果について詳しくご紹介します。

3D CADは設計・開発では欠かせないツールです、どんなメリットがあるのか解説していきます!

CADとは?

CAD」とは、Computer Aided Designの頭文字を取ったもので、エンジニアがコンピューター上で設計やデザインを作成するツールです。製造業界では平面の設計図を描く2DCADが広く使われてきましたが、最近では、はじめから立体で設計できる3DCADが普及しつつあります。

しかし、3D設計は2Dとは全く異なる技術が求められるため、2DCADを使い慣れたエンジニアは一から技術を学び直す必要があります。高額なシステムの購入費に加えて、この育成コストを嫌がって、中小製造業では依然として2DCADが多いのも現状です

資料:三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)「我が国ものづくり産業の課題と対応の方向性に関する調査」(2019年12月)

製造業全体でみると図面や2Dデータを使っている企業もまだまだいるんですね。

3DCADを導入したワケとは?

そんな中、メトロールでは去年(2021年)機械設計ソフトウェア会社「SOLIDWORKS」の3DCADを導入しました。
メトロールの売りでもある「スピーディな開発力」を強化するためです。

3DCADをバリバリ使っている技術者が中途入社するタイミングも重なって、「せっかくだからみんなで3次元やらない?」って社内で声をかけてみたんです。そしたら「いいっすね!」「自分もやってみたかった!」と皆ノッてきて(笑)全社的に3DCADに切り替えようということになりました。

なんでこれまで手を出さなかったのか? 
それは、メトロールには客先仕様の図面があまりにも多すぎて三次元化しづらかったというのが一番の理由ですね。
歴史が長すぎたんです!これまでの図面は分厚いファイルにして20冊分くらいあるので、それを一気に3Dに置き換えるのは正直厳しい。なので、僕は「過去のものは3D化しません!」って宣言してからはじめました。(笑)

3DCADを導入したら、生産効率が6倍に!

いざ現場に3D CADを導入するにあたって、いきなり製品設計の全フローを変えるのではなく、効果の出やすい自社工場で使う「治具」の設計から取組みをスタートしました(治具:製品を造るときに作業者が使う道具)

治具設計は生産技術部の担当で、従来は設計した治具が手元に届くまでに1か月~1か月半もかかっていました

《これまでの治具が出来上がるまでの流れ
1.治具を設計
2.2Dの図面を描く
3.購買部に提出
4.加工をお願いするパートナー企業と見積や図面のやり取りが何度も発生。
5.そのたびに、購買部や製造部への確認作業を繰り返す

このプロセスにかなりの時間と労力を割いていたのです。

▲治具の3DCAD設計図

3DCADを導入して新たにできるようになったこと

今回3DCADとともに、MISUMIさん「オンライン部品調達システム」も導入しました。
僕らが3D設計データをアップロードすると、即時に見積もり・納期が算出され、最短1日で出荷されるシステムです。
このシステムを使えば、購買部を通さなくとも、設計者が直接加工屋さんに発注できるようになりました。

通常、購買部を必ず通して安く調達できるパートナーを探してもらうことが製造業では一般的です。
しかしメトロールの治具設計においては、「安さ」より3DCADで得られる「スピード」を優先したんです。

生産活動を停滞させる「待ち時間」を最小限に。

生産現場では「治具が壊れて生産ラインがストップしているから、今すぐ替わりの治具がほしい!」ということがよくあります。
新しい治具を作る場合、小口注文(1個~数個)ですし、必要な部品数もそこまで多くありません。量産品ではないので、少しでも安く調達するために見積もりをとる手間より、治具が手元に届き生産活動を再開させるまでのスピードを優先したいわけです。

3DCADを導入した結果として、図面化も見積もり取得のためのやりとりも省略され、リードタイムが1週間に短縮しました。生産効率で言ったら4~6倍です。

3Dの便利さを知ってしまうと、もう2Dには戻れません!

▲治具製造における開発期間の比較

3DCAD初心者は、どうやってスキルを学んだか?

開発スピードを大幅アップできるのは3DCADの最大のメリットですが、ここで心配なのが設計者の育成問題です。

平面の2DCADと違い、はじめから立体でモデリングする3D設計はアプローチが根本的に違います。2DCADを使い慣れたメンバーが3DCADにスムーズに移行できるかどうか、不安はありました。

なので、

  • 存製品でなく、新規案件から3DCADを導入する
  • 難易度の高い部分は外部研修で補う
  • 先に習得したメンバーが初心者に教える

などの対策をとって、初心者でもとっつきやすい環境を整えました。
3DCADの達人「ろく」が入社してくれたことも大きいですね。社員同士で教え合っているうちに、皆スキルを上げています。今では製品設計も3DCADに切り替え、年配のメンバーも含め全員が3DCADを使いこなしています。

前の会社でSOLIDWORKSの3DCADを使っていたこともあり、入社してすぐ新製品開発メンバーにも加わっています。自分のスキルを重宝してもらえるのはうれしいですね。
これから新卒で入ってくる皆さんにも、はじめから3DCADを使ってもらう予定です。

今後の3DCADの活用について

思い切って3DCADに切り替えたことで、様々なシステムやサービスを利用できるようになりました。社内のDXが一気に進み、お客様への納期もどんどん短縮できると実感しています。

最近、3Dプリンタも導入したので、3D設計データがあれば簡単な試作品は人手をかけずに造れるようになりました。

これまでは、試作を加工部にお願いしても仕事が立て込んでいればすぐに取り掛かってもらえず、時間的ロスがありました。今では退社するときに3Dプリンターを稼働させておけば、翌朝出社すると試作品が出来上がっています。

3DCADを駆使して、製品を設計しながら同時に検証作業も終わらせる 

製品開発部としては、さらに「構造解析」の分野でもっと3DCADを活用していきたいですね。

構造解析というのは、製品開発するときに「耐久性」や「厚み」などを検証することです。
3DCADは立体的なデータが全部盛り込まれているので、例えばこの部分を100gの力で押すとどうなるか、といった計算をコンピューター上で簡単にシミュレーションが可能です。
もちろん最終的には試作品での確認作業は必要ですが、設計段階である程度の検証が終わっていれば、初期の試作の回数をぐっと省略できます。

3DCADの導入により仕事のスタイルが大きく変わり、これまでこなせなかったことにも取り組めるようになりました。
うちはオーダーメイドだからお客様に合わせてつくるものが多いですが、多品種少量の開発はスピードが命。3DCADを活用することで、うちのセンサを使っていただくお客様のイノベーションをさらなるスピード感をもってお手伝いしていきたいです。(完)

(追記)メトロールは今後も3次元オンリーではなく、2次元設計図も読める基礎力は身に着けてほしいと思っています。お客様とのやり取りで2DCADを使うこともありますし、こちらもきちんと教えていきますので、安心してくださいね!


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