製造業で経理担当がものづくりに貢献できることとは?

製造業で経理担当がものづくりに貢献できることとは?

プロジェクト概要

どこの会社にもある経理の仕事といえば「経費精算」
本プロジェクトでは⼊社2年⽬ながら、⻑年わたって固定化された業務フローを「この作業ほんとに必要?」と根本から⾒直し、新たな仕組みづくりに奮闘した、経理担当者はまさんの奮闘記を紹介します!

「経費精算」とは、出張の交通費など仕事で使ったお⾦を社員が⽴替え、後⽇会社からその払い戻しを受けることです。

メトロールは海外出張も多く、この作業に膨⼤な時間と労⼒を費やしていました。経費精算はいわば「ルーティン(繰返し)作業」です。

こうした単純作業を減らすことで、全社員がクリエイティブな仕事に集中できる時間を増やしたい!そんな思いからこのプロジェクトが動き出しました。

テーマ
経理クラウド化プロジェクト
PJメンバー
2名
PJ期間
約6ヶ⽉
担当業務
リーダー:管理部 はまさん
後援:しゃちょう

多⾔語の領収書を仕分けるのに⼀週間もかかっていた

はまさん:私が経理の仕事をはじめたころ、経費精算ではトラブルが多発していました。とくに海外営業からの領収書の仕分け作業は大変でした。
メトロールの海外営業は、月に1〜2回は海外出張をしています。帰国後に大量の領収書を整理して経理に提出してもらうのですが、

  • 何に支払ったか不明瞭な領収書
  • 日本語だけでなく、英語、タイ語など多言語で書かれた領収書
  • 紛失や用途の記入漏れの領収書

などが含まれていて、営業担当も、経理の私もその確認作業に多大な労力をかけていました。

タイ語やベトナム語で書かれたレシートは何が書かれているか営業も私もさっぱりわかりませんでした…泣


これまでは全社員の一か月分の領収書を処理するのに一週間も費やしていました。
経費精算は、

  1. 営業担当が、出張先で支払った経費の利用目的を領収書に手書きで記入
  2. 帰国後に一か月分たまった領収書をまとめて上司に報告
  3. 上司の承認印が押されたあと、経理担当が仕分ける

という流れなんですが、ある時期、私一人にすべての負担がのしかかる事態となりました。仕分け作業を請け負っていたベテラン経理担当者が退職することになったのです。

経費を申請する側、処理する側、双方の負担をどうにか軽くできないか。

これは慣例となった社内の仕組みを根本的に見直さないと解決しない、という発想に至りPJとして動き始めました。

目的

現場の申請業務‧上⻑の承認業務‧経理業務の削減 → コア業務の充実

経費精算をクラウド化している前例が⾒つからず、⼿探りでスタート

まず、これまでの作業を効率化するにはどんな方法があるのかリサーチするところから始めました。
今でこそ増えてきた経理作業のクラウド化ですが、私がプロジェクトにとりかかった2017年当時は採用している企業はほとんどありませんでした。悩みぬいた末に、最終的には以下の二つの条件を満たす新しい経費精算システムを選定しました。

  1. 営業と経理の双方が情報共有にかかる時間を減らせること
  2. 会社にいなくても、時間や場所を選ばずにスマホから作業できること

世の中に前例や評価がまだ十分にない中で、会社中を巻き込んで新システムの導入を決断するのは勇気がいりました。でも挑戦への投資を惜しまない」というのがメトロールの社風です。失敗を恐れず、まずは動いてみよう!と社長に現状を相談すると、社長は「単純な繰り返し業務には、一切人の手をかけたくない」と私の意を汲んでプロジェクトを後押ししてくれました。

メトロールでは以前から営業担当に会社のクレジットカードを持たせて交通費などをクレジット決済していたこともあって、キャッシュレス化やペーパーレス化に抵抗がなかったというのもあったと思います。新システムの導入もためらうことなく承諾してくれました。

最も苦労したのは他部⾨の理解を得ること

入社まもない私にとって、いかに営業担当者からの賛同を得るかというところに一番苦労しました。
新システムの導入で私の作業が減っても、代わりに営業担当の手間が増えてしまっては本末転倒です。いかに営業担当の負担が減るかをアピールしました。

「これまで経理がやってた仕分けを営業がやるってこと?」
「営業にとっては負担増になるんじゃないの??」

こんな誤解を解消するため、独自のクラウド利用マニュアルを作って、システムの使い方やメリットを丁寧にプレゼンしました。

経費精算の作業時間が10分の1に
クリエイティブな活動により多くの時間を割くことができるように

クラウド経理にしたことで、「経理精算の仕分け承認の自動化」が出来上がりました。

  • 営業がリアルタイムで会計処理
  • 上長は外出先でもスマホで承認
  • 記載ミスや修正の手間が削減

営業担当が出先で支払った金額と内容をクラウド上で登録すると、購入目的が上司に報告されると同時に、自動的に経理精算の仕分け承認まで一気に終わるという仕組みです。手入力による記載ミスもなくなり、修正の手間も省けます。

私の仕事は仕分け済みのデータを確認するだけになり、費やす時間は1週間から4時間に、10分の1に削減できました

クラウド経理の導入

経費精算の仕分け・承認作業 自動化の仕組みが完成

時間がお幅に削減されたおかげで

  • 会社の資金繰りの確認
  • 経営層への事業報告
  • 財務業務

など、経営視点で取り組む仕事により多くの時間を使えるようになったのでクラウド化に取り組んだ甲斐がありました。
営業担当者からも「まとまった時間を確保しなくても隙間時間に経費精算ができるし、社長の押印をもらいに行く手間もなくなった」と好評で、やりがいを感じましたね。

社会に役⽴つ製品を⽣み出すために、すべての社員にできることがある

  • 営業職はお客様のニーズや課題を掘り起こすこと
  • 開発職はそのニーズや課題に寄り添った製品を開発すること

⼈にしかできないクリエイティブな仕事にこそ最⼤限の時間を割き、知恵を寄せ集めなければ、新たな製品を⽣み出すことはできません。

「経理」の仕事は製品開発に直接携わりませんが、「作業の効率化」という側面から他部門の手間を減らして本業に集中できる環境づくりに貢献することができます。このプロジェクトを通して、社員の創造的な活動に自分も陰ながらでも多大に貢献できていることに気づき自信にもなりました。

メトロールが世界中のものづくりを支える画期的な製品を世に出すために、経理担当として何ができるのか。無駄な作業を限りなくゼロにする社内のシステム改善を今後も模索していきたいですね。


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